HearJapan - AVTechNO! breaks down Vocaloid に掲載された、AVTechNO! さんへのインタビューを翻訳しました。
AVTechNO! と Vocaloid の化学反応(訳注:Hear Japan 内で)AVTechNO はVocaloid トラックを最も数多くリリースしているアーティストだ。
HearJapan はこの伝説的トラックメイカーにインタビューを行った。 彼の音楽はこのリンクから買うことができる。
HearJapan:DTMをはじめたきっかけは何でしょうか?
AVTechNO!:坂本龍一や小室哲哉を見て「おお、スゴくかっこいい」と思ったのと、自分が楽器をうまく弾けなかったことが大きいです。
ちょっとは弾けたんですが、楽器を使った音楽というのはまったく作ることができませんでした。
DTM ならプログラムを組むことで思い描いた音楽を正確に作ることができます。
何度も巻き戻しや作り直しができるというのも大きいですね。
HearJapan:DTM を始める前は、バンドかなにかに所属していたんですか?
AVTechNO!:はい。 バンドと呼べる程のものかどうか分かりませんが、ライブ会場で2、3回演奏したことがあります。
私はギターをやりました。 今はぜんぜん弾かないですけど。
HearJapan:Vocaloid に興味を持たれたきっかけを教えていただけますか?
AVTechNO!:「初音ミク」を YouYune(訳注:YouTube?)などで見かけて、「こんな風にボーカルを作れたら…」と考えて始めました。
だいたいこんな理由です。
HearJapan:あなたが作られた曲の中で特に気に入っているのはどれでしょうか?
AVTechNO!:最近のものでは、DYE/SAKURAです。
本当に気に入ってます。 私はダークな音楽が好みなのですが、静かで優しい曲も好きです。
このトラックのメイン4小節を作ったとき、言葉では言い表せない喜びでうっとりしました。
「音楽を作っていてよかった」…とかなんとか。
HearJapan:あなたの曲の中で最も大仕事だったのはどれでしょうか?
AVTechNO!:どの曲も大変だと感じています。
SOU、M-COLOR と FUYU NO SAKURA もそうですが、おそらく DYE がいちばん大変でした。
DYE の場合は、DTM のデータフォルダが過去最大量になりました。
その甲斐あって、ガツンとくるサウンドになりました。
各曲のトラック数はたいてい100を超えています。
Vocaloid 部分のトラックだけでも25~30あります。
マスタリング時の、ノイズ除去や不必要な音を消す作業は本当に時間がかかります。
ですが、DYE の完成によってトラックメイキングについての確かな手がかりを得た感触がありました。
それが嬉しかったですね。
HearJapan:音楽についてのインスピレーションは、いつ、どんな時に訪れますか?
AVTechNO!:答えるのが難しい質問ですが、あるトラックについて作業をしていると、他のトラックについてのアイディアが湧き出てきます。
たぶん、自分でもよくわかっていないのです。未完成フレーズの結合部分をループしている時、かな。
確実なことは言えないのですが、ひらめく時はこんな感じです。
これは、DTM をやり始めてから今に至るまで変わっていません。
HearJapan:ホームページでは、好きな Vocaloid は初音ミクになっていますね。理由を教えていただけますか?
AVTechNO!:一番の理由は、歌声を調整するのが簡単だからです。 二番目の理由は、機械音声とよく合うということです。
もちろん、鏡音リンや巡音ルカにも良い点がありますが、最終的に初音ミクが標準として収まりました。
HearJapan:アベケンとはなんでしょうか?
(阿部犬のイラスト)
AVTechNO!:阿部犬とは、AVTechNO! (Advance Techno) の別名です。
私のペットのジャックラッセルテリアの絵をイラストレーターの和音さんに描いて頂いて、それを私のプロフィール写真にあてています。
阿部犬はこの絵から来ています。
ニコニコ動画にコメントする時は、アベさんというハンドルを使っています。
Advance Techno → AV-san → Abe-san と変化しているわけです。
Twitter や blog では Abe がハンドルで、アイコンなどは阿部犬を使っています。
HearJapan:自分の曲が海を越えて親しまれていることについて、どのように感じておられますか?
AVTechNO!:うう、自分でもよく分かりません! とても嬉しく、光栄なことです。
曲作りを続けるのに大きな励みになります! ありがとう!
HearJapan:あなたのファンにメッセージをお願いできますか?
AVTechNO!:まずは、聞いてくれてありがとうございます。
私の曲の殆どはシャープかつダークですが、 自分の曲を聴くと不満を感じる余地があります。
本音ではもっと優しく落ち着いた音楽を作りたいと思っていますが、まだその機会は来ていません。
現在、わたしたちは情報化社会に生きており、結果として精神的により苦労しています。
そんなわけで、私の音楽でストレスを少しだけ解消してもらい、リフレッシュした気分で目覚めてベストを尽くせるようになればと願っています。
すべての曲にこういった想いを込めるようにしています。
追求したい曲や音はまだまだ沢山あります。 より多くを学ぶために、さらに難しいことにトライするつもりです。
どうもありがとう!
HearJapan: AVTechNO! さんの世界では、初音ミクはどういうキャラクターなんでしょう!?
AVTechNO!:感情ゆたかで、無垢で、大人になることに憧れている少女、です。
HearJapan:歌詞についての取捨選択や苦労について教えていただけますか?
AVTechNO!:最近では、Vocaloid が発音しにくい言葉を避けて別の言葉に置き換えるということが、本当に頭から離れません。
困難といえば、歌詞を書くことも大変です。 これは冗談抜きに難しいです。
歌が持つ世界のイメージを言葉にしていくのは、複雑な作業です。
言葉の響きが音楽を輝かせます。今日もまた、私はそんな言葉を探しているのです。