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使いやすいインターフェイスとは何か

前の記事で ヒューマンインターフェイスデザインの原則(1987) - Macintosh Human Interface Guidelines を訳したので、これについて少し考察してみよう。
(Macintosh Human Interface Guidelinesは長いのでMHIGと略すことにします)


当時のGUIは従来のコンピュータとは全く違う「未知のインターフェイス」だった。なのでMHIGには、UIやUXがどうのこうのという以前の、「GUIを使ってもらうにはどうすればいいか」という基本的な視点が備わっている。
最近のインターフェイスガイドラインではこの視点が欠けているかあるいは省略されていることが多いので、25年経った今でもMHIGに触れることには意味がある。

MHIGは旧OS用のガイドラインなので細部の記述は古くなってるけど、その哲学は古びていない。
たとえば、Apple iOS の bounce back。スクロールなどの行き止まりに来ると一瞬跳ね返るアニメーションのことだが、これは
「行き止まりにものが当たると跳ね返るという、誰にでもわかる物理的メタファー」
「アラートを出すことなく、そこが行き止まりであるというフィードバックを返す」
という原則に当てはまっている。

そして。
MHIGに掲げられたヒューマンインターフェイスデザインの原則をぼーっと眺めていると、ある共通した考え方が浮かび上がってくる。ひっかかる言葉をピックアップしてみると…

「人々が外界について既に持っている知識を活かす」
「これらのパラダイムはユーザー行動の一般的な形態を基にしており」
「他のアプリケーションでの経験を足場にできる」
「理解しやすく、親しみがあり、予測可能なコンピュータ環境」
「人々や人々の持つ能力に依った製品を開発する」


つまり、これらが指しているのは、

使いやすいインターフェイスの条件は、ユーザーが既に持っている知識・経験・感覚を利用することである。


ということだ。

もっと極端に書くとこうなる。

使いやすいインターフェイスとは、ユーザーが既によく知っているものである。



直感的だから、クールだから、シンプルだから、便利だから、ではない。知っているから使いやすい。
だから、誰も見たことのないようなアプリケーションを作るときに使いやすくするにはどうしたらいいか?という困難な問題に対するとき、MHIGは「ユーザーが知っているものを利用せよ」という原則を掲げる。たとえば、先に上げた bounce back などが「身近な物理現象」を使っていたように。
「ユーザーが知っているもの」はコンピュータの知識にとどまらない。身近な物理現象。文房具。家の中にありそうな馴染みのある機械。"タイムマシン" などの専門的でない言葉。色とそれに関する印象。書籍や雑誌のレイアウト原則…

社内で検討を重ねベータテストも十分に行ったうえで刷新されたUIがユーザーに袋だたきにされるという悲劇が止まらないのは、「使いやすい」という点について根本的な誤解があるから。
効率が良くなっていても、派手になっていても、新機能が加わっていても、「知らないものは使いにくい」というのが真実なのである。
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ヒューマンインターフェイスデザインの原則(1987) - Macintosh Human Interface Guidelines

はじめに
これは、Apple がかつて公開していた Macintosh Human Interface Guidelines の冒頭、「ヒューマンインターフェイスデザインの原則」を個人的に翻訳したものです。
Macintosh Human Interface Guidelines は、「UIデザインのマイルストーン」「すべての技術者はこれを読むべきである」と評されていた重要な文書です。過去に日本語書籍が二度出版されていますので、全文をまともな品質の翻訳で読みたければそちらを入手した方が良いでしょう。



ヒューマンインターフェイスの原則

Apple Computer では、人間とコンピュータとの相互作用を考慮した数多くの基本原則を用いて製品がデザインされています。
この章では、製品のデザインを決定するためのカギとなる、ヒューマンインターフェイスのデザイン原則について論じています。
Macintosh ユーザーインターフェイスについて技術的な知識を持つことは製品デザインにおけるカギとなりますが、ユーザーインターフェイスの背後にある理論を理解することが、優れた製品を生み出す助けとなります。
ここでは、第2項で説明するMacintosh インターフェイス要素の実装について、その理論の土台となるものを述べていきます。


ヒューマンインターフェイスデザインの原則
Macintosh における製品デザインについて役に立つ原則を紹介します。デザイン原則を定義する理由は、Macintosh の標準に合った製品を作る助けとするためです。これらの原則はまた、「人々は何を知っているのか」「人々はどのように振る舞うのか」を基盤とする製品をデザインするために、あなたができることを明確にしてくれます。
常にすべての原則に合致させるようデザインすることは不可能だということに気付くでしょう。状況に対して、あなたが取りかかっている作業の筋道において最も重要である原則、それをベースにして方針を決定していかなければなりません。

メタファー(見立て)
アプリケーションの機能や考え方を伝えるためにメタファー(見立て)を使うことで、人々が外界について既に持っている知識を活かすことができます。具体的かつ慣れ親しんだモノをメタファーに使い、そのメタファーはシンプルにしておく。それによりユーザーはコンピュータ環境に対して「こうだろうという期待」を持つようになります。例えば、オフィスで紙の書類をしまっておくのに、フォルダがよく使われています。書類棚を整理するのに似たやり方で、ユーザーはハードディスクを整理できるのです。
デスクトップは、Macintosh インターフェイスの基礎となるメタファーです。それは、ユーザーが道具や書類を置くための平面として表されます。いくつかの他のメタファーは、デスクトップ・メタファーに統合されています。デスクトップは、それがフォルダやゴミ箱を置いてある「机の上」だということを了解させるのです(ふつう机の上にゴミ箱は置きませんが)。メニューは、デスクトップ・メタファーの拡張です。レストランのメニューから選択するのと同じく、コンピュータのメニューから選択することで意志を伝える、という考え方にユーザーを導きます。机の隅にレストランのメニューを置いておくようなことはしませんが、「メニュー」という言葉をコンピュータ環境で使うことは、「選択を行うにはコンピュータのメニューを使う」という考え方を補強してくれます。
コンピュータインターフェイスにおけるメタファーは用途を示唆しますが、メタファーの採用に従って用途が定義されたり制限されたりということはありません。例えば、紙のフォルダには内容量に限界がありますが、Macintosh のフォルダにも同じような制限を強いることはありません。コンピュータのフォルダには無制限の数のファイル(ハードウェアの上限まで)を入れられます。これはコンピュータの利点です。メタファーが示唆する用途とコンピュータの能力とを揃えるようなことをやめるようにして、メタファーを "拡張" するようにしてください。

直接操作
直接操作とは、コンピュータが描いたオブジェクトを直に操作しているような感覚をユーザーに与えることです。直接操作の原則に従って、スクリーン上のオブジェクトは、それに対してユーザーが物理的な動作を行えるような外観を持ちます。ユーザーがオブジェクトに対して行動すれば、その影響は即座に物体の外観に表れます。例えば、ある地点から別の地点へとアイコンを引きずることでファイルを動かすことができます。また、カーソルを置くべき場所を直にクリックすることで、そのテキスト領域にカーソルを置くことができます。
図 1-1 では、デスクトップを横切ってフォルダアイコンを引きずっています。コンピュータにおける直接操作の一例です 。
行動に対して物理的な結果を期待させるようにすると、ユーザーは反応を求めるようになります。例えば、描画ツールを動かすと、作業中の書類上に線が表れます。すべての瞬間において行動が可能であることをユーザーは目にしたがるのです。もし行動によって重大な結果を招きそうであれば、ユーザーはその結果を知りたがります -- 損害を受ける前に。心変わりが可能なうちに。ユーザーは命令が実行されていることを知らせるような手がかりを求めます。また、実行できない場合はその理由を知りたがります。ハイライトされた興味対象についての話題も求めようとします。
控えめなアニメーションは、要求された行動が実行されていることを見せるベストな方法のひとつです。例えばアニメーションするポインタは、大きな文書を保存して問題なく完了するといった長時間かかるプロセスにおいて、ユーザーを安心させてくれます。

見えているものを指し示す
デスクトップ上では、スクリーンに存在している候補から選ぶことによってユーザーが行動します。ユーザーはスクリーンを介して直接的に交流します。デスクトップ上の要素を指し示すためのポインティングデバイス(通常はマウス)を使って、物体を選んだり行動を演じたりします。
Macintosh のデスクトップは2つの根源的なパラダイムに沿っています。どちらのパラダイムも二つの基本的な前程を共有しています:やっていることをスクリーン上で見ることができる。目に見えるものを指差すことができる。これらのパラダイムはユーザー行動の一般的な形態を基にしており、それは名詞 - 動詞です。まず物体を持って次にそれを動かす、というものです。
一つめのパラダイムは、ユーザーはまず対象となる物体を選び(名詞)、それからどう行動するかを選ぶ(動詞)、というものです。選んだ物体に対してできる全ての行動をメニューに並べる。そうすれば、次にやることについて自信のないユーザーは、メニューに目を通すことで記憶をすっきりさせることができます。いかなる時も、特定のコマンドや名前を記憶することなしに、全ての行動を選び出すことができます。例えば、ユーザーが書類アイコンをクリックし(名詞)、ファイルメニューからプリントを選ぶことで書類を印刷します(動詞)。
二つめのパラダイムは、ユーザーがある物体をほかの物体の上にドラッグすると(名詞)、それに関連した行動が起きる(動詞)、というものです。デスクトップ上では、例えば、ユーザーはアイコンをゴミ箱や、フォルダ、ディスクなどにドラッグできます。この例ではメニューから行動を選択していませんが、ある物体を別の物体に重ねたときに何が起きるかは明らかです。例えば、書類アイコンをゴミ箱にドラッグすることは、書類を捨てたいという意味です。メタファーの作用により、ゴミ箱のような物体についてはユーザーに分かってもらえます。だから、物体を実世界のものと同じ外観にしておくことが特に重要です。もし書類アイコンが文字を書いた紙片のように見えず、ゴミ箱も何かを捨てるような形をしていなかったら、インターフェイスを使うのがより難しくなるでしょう。

一貫性
インターフェイスに一貫性があれば、あるアプリケーションでの知識や技能を別のアプリケーションに移転させることができます。アプリケーション内部の一貫性を確実にし、アプリケーション間の一貫性という恩恵を得るために、Macintosh インターフェイスの標準要素を使ってください。
優れたアプリケーションは多くの異なる方法で一貫性を保ちます。ビジュアルインターフェイスにおける一貫性は学習を助け、インターフェイスにおけるグラフィック言語の理解を容易にします。例えば、「そのチェックボックスに見えるものは何なのか」をひとたび知れば、決定に使う別のシンボルを学ぶ必要がなくなります。インターフェイスにおける振る舞いの一貫性とは、クリックして指し示すといったことをどうやって行うのかを一回で学ぶ必要があるという意味です;そうすれば、ユーザーが既に持っているスキルを使って新しいアプリケーションや新機能を探索することができます。一般的に、一貫性は複数のアプリケーションをまたがって使うような典型的なユーザーにとって利益があり、そしてソフトウェア開発者にも利益があります。なぜなら、ユーザーが新しいアプリケーションの使い方を学ぶときに、他のアプリケーションでの経験を足場にできるからです。
以下は、一貫性についてあなたが自問自答することのできる質問です。
あなたの製品は
その製品のうちで、一貫性がありますか?
以前のバージョンとの一貫性はありますか?
Macintosh インターフェイス標準と一貫性がありますか?
メタファーの使用に一貫性がありますか?
ユーザーの期待するものとの一貫性がありますか?

一貫性の類で最も難しいのは、ユーザーの期待に一致させることです。なぜなら、あなたは広範な聴衆および専門知識に直面するので、全員の期待に合致させるのは難しいのです。あなたのターゲットとなる聴衆と彼らの要求、その文脈の中で一貫性の課題について慎重に検討することで、この問題に取り組んでください。

WYSIWYG (What You See Is What You Get 見ているものが手に入る)

抽象的なコマンドを使うことにより機能を隠してしまうことがないようにしてください。必要なものを必要なときに見られるようにしなくてはいけません。例えば、メニューはコマンドのリストを提示するので、ユーザーはコマンド名を思い出したり入力したりすることなく選択肢を見ることができます。
ユーザーがアプリケーションの全ての機能を見つけられるようにしましょう。
初期状態で ”隠されている” 機能を見つける必要があるなら、さらなる選択肢をどこで見つけられるのか情報を与えるようにしましょう。段階的なインターフェイス、つまり関係する情報をひとつずつ明かしていくようにすれば、ほとんどのユーザーが殆どの場面で望んでいるものを見せつつ、更なる選択肢を得るための手段を提供できます。段階的なインターフェイスの情報は、35ページ 3項 “ヒューマンインターフェイスデザインと開発プロセス” の “段階的な開示” ガイドラインを見てください。
スクリーン上で見えているものと、印刷後に受け取るものとの間に大きな違いがないようにしてください。書類の内容と書式 (空間的なレイアウトだけでなく、フォントの選択も)、両方をユーザーが管理するとします。ユーザーが書類を変更したら、素早くそして直接的に結果を表示しましょう;印刷されるのを待つ必要があったり、印刷後にどのように見えるのかを心の中で計算する必要があったりしてはいけません。

ユーザーによる制御
動作の開始や制御は、コンピュータではなく、ユーザーに委ねましょう。積極的に活動しているときに人は最も良く学びます。しかし、コンピュータが動き、ユーザーは制限された選択肢の中で単に反応するだけ、ということがしょっちゅうあります。また、コンピュータがユーザーを”気遣って”、ユーザーにとって”良い”と判定されたものか、細かい決定をさせることからユーザーを”保護”するかの、二者択一しか提供しないというものがあります。このやり方は、ユーザーではなくコンピュータに誤って制御を渡してしまいます。
カギは、作業を行うのに必要な能力をユーザーに提供する事と、データの破壊を防ぐ事との間で、バランスをとることです。ユーザーがデータをうっかり破壊してしまうような状況で、好ましくないことが起きかねない状況であり、それでも続行はできるということをユーザーに知らせるために、(通常はアラートボックスの形で)警告を出すことでユーザーを助けることができます。
ユーザーが承認すれば、それが彼らの望む事です。このやり方はユーザーを”保護”しますが、ユーザー側に制御を委ねてもいます。

フィードバックとダイアログ
製作物に起きていることについて情報を提供し続けてください。ユーザーが行った作業に対するフィードバックを提供し、可能な限り速やかにフィードバックを返しましょう。ユーザーが行動を始めたら、視覚的あるいは聴覚的(もしくはその両方)なインジケータを提供し、アプリケーションはユーザーの入力や作業を受け取ります。作業にどのぐらい時間がかかるのか可能な限り多くの情報を提供してください。別の作業が進行しているためユーザーの入力に反応できないときは、予測されうることをユーザーに知らせ、すべての遅れ、なぜそれが起こったのか、どのぐらいかかるのかを説明してください。また、いつであれ、現在の状況から抜け出す方法をユーザーに知らせてください。
人々が理解可能な、直接的でシンプルなフィードバックを提供してください。ほとんどの人は、”コンピュータは予期せず終了しました。ID=13”というメッセージを見ても何をしたらよいのか分かりません。もしそのメッセージが、エラーを引き起こした状況を正確に詳細に説明していたら大きな助けになるでしょう - 例えば、メモリが不足しているため作業を完了できません - であれば、ユーザーは次からこの状況をどうやって避ければよいのかを理解できます。
図 1-2 は、ユーザーにとってまったく助けにならないメッセージの例と、有用で助けになる情報を提供しているメッセージの例です。

寛容性
寛容性を組み込むことで、アプリケーション探検を促進させられます。寛容性とは、コンピュータ上での行動は基本的に元に戻せるという意味です。システムに被害を与えることなく物事を試せると感じてもらう必要があります;安全策を作ることで、アプリケーションを学び使うことが快適に感じられます。
回復不能なデータ消失を招くであろう作業を始める前には、常に警告を出してください。アラートボックスはこのような状況で警告を出すのに良い方法です。ただし、選択肢が明確に与えられていて、フィードバックも適切かつタイミングも良いときは、プログラムの使い方を学ぶことはエラーと無縁であるべきです。つまり、頻繁にアラートボックスが出るというのは、プログラムのデザインに何か悪いところがあるという表れです。

感覚的な安定性
コンピュータはしばしば人々に、今までにないレベルの複雑さを提示します。人々がこの複雑さに対処するために、安定した基準点が必要とされます。Macintosh インターフェイスは、理解しやすく、親しみがあり、予測可能なコンピュータ環境を提供するためにデザインされています。
安定性のある外観を与えるため、Macintosh インターフェイスはオブジェクトを置く2次元空間、すなわちデスクトップを提供します。それはまた、安定性という錯覚を維持するために、多くの一貫性あるグラフィック要素(メニューバー、ウインドウの境界、その他)を明示します。安定性とは感覚的なものであり、物理的に厳密な安定性ではないことに留意してください。
ユーザーに安定性を感じてもらうために、インターフェイスは明瞭で限られた数のオブジェクト、そして明瞭で限られた数の動作を提供します。特定のアクションが利用できないときは、表示から取り除かず、ただ淡色表示にしてください。

美的感覚の統一
美的感覚の統一とは、情報がよく統合されていて、視覚的なデザイン原則に沿っているということです。スクリーン上のオブジェクトの外観が優れていて、表示技術が高品質であることを意味します。人々がコンピュータのスクリーンを見て作業することに多くの時間を使うので、あなたの製品のデザインは長時間眺めても気持ちのよいものであるべきです。あなたの資源をグラフィックデザイナーに割くことを考えてほしいのです;グラフィックデザイナーがあなたの製品デザインにもたらしてくれる技量は投資する価値のあるものです。
グラフィックはシンプルさを保ってください。インターフェイスの使い勝手を強化する観点からみて、数多くの要素とそれらの振る舞いは絞り込まれるべきです。グラフィック - アイコン、ウインドウ、ダイアログボックスなどは、優れたヒューマン-コンピュータの相互作用の基礎であり、それを考慮してデザインされなければなりません。多すぎるウインドウでスクリーンを散らかしたり、複雑なアイコンでユーザーに負担をかけたり、ダイアログボックスの中にたくさんのボタンを置いたりしてはいけません。
インターフェイスのグラフィック言語に従うようにして、標準要素の意味を変えたりしないでください。例えば、もしあなたがときどきチェックボックスを複数の選択用に使い、別の場合では排他的な選択に使っているのなら、あなたは要素の意味を弱めています。
概念を表すときは曖昧なグラフィックイメージを使わないでください。標準的でないシンボルをメニュー、ダイアログボックス、その他の要素に加えるときは、その意味はあなたにとっては明瞭かもしれませんが、他の人にとっては別のものや紛らわしいものに見えるでしょう。標準的でないシンボルを必要とするなら、その表現、アナロジー、メタファーを通して意味が伝わるグラフィックデザインを使ってください。追加する適切なシンボルのデザインについての詳しい情報は、38ページからはじまる 3項の “ヒューマンインターフェイスデザインと開発プロセス” の “インターフェイスの拡張” を見てください。
図 1-3 は、気まぐれなシンボルがどれだけユーザーを混乱させるか、標準シンボルによるシンプルなメニューがいかに明瞭かを示す例です。
一般的に、グラフィック要素はその振る舞いをユーザーの予想に合わせなければいけません。押しボタンは、「スライドさせる」よりも「押す」ように見えます。スライダーにおける指針をスライドさせると値が変わります。これらの振る舞いは、その要素がどう振る舞うかという人々の予想に対応しています。
ユーザーに、コンピュータ環境の外観に通じたコントロールを提供してください。そうすることで、要素それぞれの形状や個性を表示できることになります。それはまた、すべてのユーザーに訴えるインターフェイスを創造しようとするデザイナーの負担を軽くします。ユーザーがコンピュータ環境を特定のレイアウトに設定したときは、ユーザーがそれを変更するまではそのままにするべきです。

モードレス
ほとんどの場面で、やりたいときにやりたいことをやれるよう、モードレスな機構を作るように試みてください。なぜなら、モードはユーザーが実行する作業を実質的に制限するからです。ユーザーを一つの作業に固定して、それが完了するまでは他の作業を行うことを許さなくなります。対照的に、モードレスだと一度に一つ以上の作業を実行できるし、したがってコンピュータ上やアプリケーション内でユーザーにさらなるコントロールを与えてくれます。作業および作業指示についてユーザーのコントロール能力を可能な限り保つことが求められます。
これは、モードを決して使うべきではないと言っているわけではありません。特定の問題を解決するためにモードを使うことがベストな場合もあります。最も受け入れられるモードは次のようなカテゴリーに分けられます:
長時間のモード、例えばグラフィックの作成を妨げるような文書作成。感覚的には、それぞれのアプリケーションがひとつのモードです。
短い期間の「バネのように飛び出す」モード、すなわちモードを維持するためにユーザーが定期的に行うようなもの。テキストをスクロールするためにマウスのボタンを押し続けたり、テキストの選択範囲を広げるためにシフトキーを押し続けるなどの例です。
警告モード、すなわち続行する前に普通でない状況を修正する場合など。
これらのモードの使用は最小限にするようにしましょう。他のモードは以下のもので受け入れられます:
それらが、おなじみの実生活の状況を模倣しているもの。例えば、グラフィックアプリケーションにおいて異なったツールを選択するのは、実生活で物理的な絵描きの道具を選ぶのと似ています。
振る舞い自体ではなく属性だけが変化するもの。テキスト入力でのボールドや下線モードがその例です。
ソフトウェアを通じてのエラーが回復できない状態として、手続きを強調する目的でシステムの他の一般的な作業をほぼ差し止めるもの(例えば、閉じることを除いてすべてのメニューを選択不能にするダイアログボックス)。

もしアプリケーションがモードを使うのなら、現在のモードの視覚的な表示を明確にし、その表示はモードによりもっとも影響されるオブジェクトの近くにあるべきです。良い例は、多くの Macintosh グラフィックアプリケショーンにあるポインターの変化です;ユーザーが選択した機能(モード)に応じて、ポインターは鉛筆、絵筆、スプレー缶、消しゴムのような姿になります。それはユーザーにとってモードに入っているのか出ているのか容易に分かるようにするべきです(他のパレットシンボルをクリックする、などによって)。



追加の問題

この項目では、製品のデザインを考慮するときの助けになる、他の問題について検討します。

顧客の知識

あなたがターゲットにする顧客のありようや理解の度合いは、製品デザインを始めるときに最も重要になる最初の一歩です。人々が使いこなせる製品を生むために、ターゲットとなる顧客を構成している人々について学びましょう。製品を使って貰おうとあなたが想定している個人、その人の典型的な一日を思い描くのが有効です。異なった作業空間、異なった作業道具、そして人々が相対する異なった決まり事や制限について考えましょう。あなたはまた実際の作業空間を訪れたり、人々がやっている仕事について学ぶこともできます。
顧客がやりたいと思っているであろうタスクを完遂するのに必要なステップを分析しましょう。そして、個人がどのようにある場所から次の場所へと道理にかなった流儀で遷移しているかの考察をステップごとに行い、それらのタスクを手助けするためにデザインしましょう。
ユーザーをデザインプロセスすべてに巻き込み、彼らの環境の中でその仕事を観察しましょう。製品の試作品をテスト・開発するために、顧客の種類に合致する人を使いましょう。彼らのフィードバックに耳を傾けて、彼らのニーズに本気で取り組んでください。コンピュータやその能力に依るのではなく、人々や人々の持つ能力に依った製品を開発する。それを心にとどめましょう。
より詳しい情報は、チャプター3の “ヒューマンインターフェイスデザインとデザインプロセス”、41ページからの “デザインプロセスにユーザーを巻き込む” を見てください。

アクセシビリティ
コンピュータは、それを使うと決めたすべての人にとって近づきやすいものでなければなりません。あなたが想像する”平均的な”ユーザーとは異なる、ターゲット顧客であるだろう人たちです。ユーザーの年齢、様式、能力がバラバラであることは疑う余地がありません。彼らには身体および認知の制約、言語の違いがあり、考慮するべき違いは他にもあります。ターゲット顧客の独自性、彼らが持っているであろう特別なニーズとは何かを突き止めましょう。
異なる入力デバイスや出力装置とあなたの製品とが簡単に相互動作するようにしてください。もしあなたが身体的な制限のあるユーザー向けのハードウェアとソフトウェアを開発しているなら、その製品が他のソフトウェアによってサポートされるようにアプリケーション開発者と協力してください。
開発の最初からワールドワイド対応をサポートしておくことで、アプリケーションが世界中の人々に届けられるようになります。ターゲット顧客の、文化や言語についてのニーズや期待を見込んでおいてください。より詳しい情報は、チャプター2“一般的なデザイン考慮事項”の16ページからはじまる”ワールドワイド対応” を見てください。”
ユニバーサルアクセスについての詳しい情報はこの文書のしかるべき箇所にあります。チャプター2“一般的なデザイン考慮事項”の24ページからはじまる”ユニバーサルアクセス” を見てください。”

ハイキュー!! 1周年。改めてその魅力を語る

ハイキュー連載開始1周年!…から2ヶ月ほど経とうとしています。
面白さは減速するどころかますます加速しています。青春も成長も戦略も全部入りなスポーツマンガであるハイキュー、その魅力を改めて話してみます。

バレーボールはボールを繋ぐスポーツであり、それ故に「選手間の信頼」がハイキューでは何度も描かれます。
面白いのは、マンガの定番といえる「みんなの思いがこもった~」「信頼があるからこそ~」という測定不能な要素が、ハイキューでは「スムーズな連携」「ここぞというところでボールを繋ぐ」といった現実的な動作に現れてくるところ。
まだまだチームとしては経験値が低く、主人公である影山の才能に頼るところが大きい烏野に対して、相手チームの安定感のある攻撃という対比。才能 vs 経験・信頼・実績。
そしてハイキューでは、前者が後者を圧倒することはないのです。

主人公二人のうちの片方である影山は、作中で「天才」と呼ばれてます。圧倒的な才能に加えてバレーボールに対するどん欲さとストイックさも併せ持ち、1年ながら他校からもマークされるような存在です。
これまではもう一人の主人公、日向の成長にフォーカスが当たることが多く、もとから実力の高い影山はどちらかというとその独善的な性格が丸くなっていくような描写が主でした。
ところが…まだ単行本に載ってない最新の話なので詳細は語りませんが、その影山が追い込まれます。その理由はざっくり言うと「経験不足」。
天才ではあるが選手としては経験不足であり学ぶべきことはまだまだ多く、つまりは成長途中だということ。現状では、天才ではないが経験豊富であり視野も広い "優秀なセッター" に敵わないのです。

セッターの話をすると、最近のハイキューでは「おおきく振りかぶって」と同じく、セッターの視点を導入することでバレーの戦術が語られます。
相手の守備をどう出し抜くか。相手の攻撃をどう防ぐか。ともすればフィジカル一辺倒、強い速い上手いになりがちなこの辺りについて、ハイキューでは性質の違うセッターたちが "戦術" を見せてくれます。
相手の動きを観察してフェイントや奇襲をかけてくるのが得意なセッター。圧倒的な才能で凸凹な選手を繋ぐセッター。選手の特性を見極めてその力量をフル活用するセッター。
そしてチームのスタイルはセッターだけでは成り立ちません。
チームの安定したレシーブ力が、セッターの奇襲のお膳立てをする。
優秀なセッターの的確なトスは、性質の異なるアタッカー達の存在があって初めて生きる。
バレーは独りでは戦えないというハイキューのメインテーマがここでも生きています。

…と、なんやかんや書きましたが、ハイキューの最大の魅力はやはり登場人物につきます。
主人公が属する烏野バレー部だけでなく、相手チームのメンバーも魅力的に描かれます。コミカル寄りな絵柄や雰囲気と密度の高い描写で、キャラクターが非常に生き生きとしています。
試合前や練習中でみせるコントのようなやり取り、「恥ずかしいセリフ禁止!」と指差ししたくなるような直球の台詞、高密度なコマ割りで表現される瞬間瞬間のカッコ良さ。烏野だけでなく相手チームにも相応の描写があり、ハイキューのテーマ通りチームメイトすべてに光が当たる。
個人的に気に入っているのが烏野のコーチと顧問。スポーツマンガにおいて監督やコーチというのは影が薄かったりただの助言役だったり君臨すれども統治せずだったりするのですが、ハイキューではコーチと顧問にも烏野バレー部に関わるドラマがあり、そしてどちらも発展途上です。
コーチはレギュラー登用に選手の気持ちを想像して葛藤したりしますし、顧問はバレーの知識はない新参ながら熱意を武器にしてバレー部のために走り回ったり。この辺りもハイキューは漏らさず拾いあげます。

んで結論は1年前と同じです。少しでも興味があったら単行本を買って読むのだ!できれば1・2巻をセットで!
なぜセットを勧めるかというと、1巻は主人公二人の背景説明や入部騒ぎにほぼ費やされていて、烏野バレー部が動き出すのが2巻からだから。
2巻はバレー部メンバーとの描写あり、練習試合あり、そして主人公コンビの"速攻"が炸裂したりと、1巻よりもはるかに面白いのです。
公式サイトでは5話まで試し読みできますが、5話どころか、2巻を読まないとハイキューの真の魅力は分かりません! とあえて断言しておきます。
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Author:waverider

ああ、沖縄に行きたい…

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