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赤十字国際委員会「ゲームにも国際人道法の概念を組み込むべき」

赤十字 戦争犯罪でゲーマーを罰することを求める: The Voice of Russia を読んで。

赤十字国際委員会による原文はこちら。
Video games and law of war - ICRC
主張としては、ゲームにも国際人道法の概念を組み込むべきというもの。

例えばGTVやスカイリムなどでは暴行、殺人、窃盗など、プレイヤーが望めば望むだけの無法が可能になっている。
そんな行為に対して両ゲームともノーペナルティではない。法律はゲーム内にも存在しており、犯罪者は警察に地の果てまで追いかけられて射殺されたり、懸賞金をかけられて行く先々で咎められ冒険に支障を来したりする。

そして、戦争とは何をやっても構わない無法状態である! というわけでもない。赤十字によって提唱された国際人道法は戦争の手段あるいは民間人や捕虜の扱いなどを規定していて、日本も加入している。
赤十字国際委員会が今回のようなことを言い出すのは、FPSに代表されるような戦争ゲームの表現力が向上している現在、「戦争ってそもそも無法でしょ? 国際人道法? 何それ?」みたいなスタンスのゲームが今後リリースされ続けると、「捕虜や民間人や医療従事者を虐殺しても構わないでしょ戦争なんだし」といった勘違いを補強することにつながって良くないという懸念から。

現実を舞台にしたゲームだと「それ犯罪です」というのは分かりやすい。んで今回のように国際人道法の存在をそもそも意識しないゲームが多いということは、海外の開発者にとっても戦争とは馴染みの薄い出来事だということだろう。
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甘いものだけでできたゲーム - Cookie Clicker

この連休はCookie Clickerをずっと点けてました。

「クッキーを増やす」だけのこのゲーム、最近のF2Pが好んで使う「依存仕様」と「報酬系」でのみ形作られているとんでもないゲームです。
存在そのものが現状に対する皮肉ではないかと思えるぐらい良くできています。

・プレイ時間の決定権を奪う
クッキーは全自動生産なので、クッキーを増やすには待つしかありません。クッキーが増えるのを待つ → クッキーを消費して生産ユニットを増やして生産力を上げる → クッキーが増えるのを待つ… この繰り返し。
F2Pでよくあるスタミナと同じです。行動を起こせるようになるにはしばらく待つしかなく、故にプレイヤーは断続的にゲームにアクセスしようとする。そして定期的に確認しないと気が済まなくなる。
プレイ時間の選択自由がいつのまにかゲーム側に握られているという手法です。

・開始当初の報酬 - プレイスタイルの変化
ゲーム開始当初は生産ユニットがないので、ポチポチとクリックして手動でクッキーを作るしかない。そうして生産ユニットを増やしていくと生産力が上がって勝手に増えてくれるので放ったらかしにしてもよくなる。この状態はわりと短期で達成でき、プレイヤーに悦びと優越感を与える初期報酬の役目を果たしています。
移り気なユーザーを留めおくためのデザイン。ユーザーが裸一貫である状態が一番離脱率が高いので、こうやって引き止めておけばゲーム内資源が溜まって「やめると損した気分になり」、離脱率が下がるというのを狙っています。

・平坦ではない難度上昇
よくできたゲームというのは難度上昇カーブが奇麗な直線になっておらず、意図的に凸凹を作ってあります。
製造コストが高いユニットほど強いというのがこの手のゲームのセオリーであり、そしてユニットのコストメリットにわざと差がつけられているのもまたセオリーである。
CookieClickerでは、生産ユニットは Cursor(カーソル) → Grandma(おばちゃん) → Farm(農場) → Factory(工場)…の順になっている。コストと生産力をじっと見れば、Farm(農場)のコストメリットが妙に低いのに気付くはず。
Farm(農場)の製造をグッと我慢して次のFactory(工場)を狙った方がメリットが大きい。このゲームには難度の概念がない代わり「待ち時間が長い」ことが障壁になるんだけど、ここでプレイヤーに障壁と選択肢を提示することで、プレイヤーに「ゲーム進行に介入できる事を自覚させる」「己の選択により障壁を突破した感を与える」ようにしている。報酬の第二段階と言ってもいいでしょう。
F2Pであればこの障壁をもっと巨大な物にして、時間を短縮する有料アイテムへと誘導したりします。

・いままでの成果が視覚的に分かる
生産したユニットは個数表示だけでなくウインドウ内にずらーっと並ぶ。クッキーが増え続けているのをカウンタでいつでも確認できる。辛抱して強い生産ユニットを製造すればその瞬間からクッキーの増加量が目に見えて早くなる。
どのくらい強くなったのか。どのぐらい実績を溜めたのか。効果や成果や実績を常時かつ視覚的に見せるのはプレイヤーを依存させるためには非常に重要なことで、たとえそれが数字の変化や単純なパーティクルでも効果は大きいのです。

・目的を複数用意してユーザーに選択させる
クッキーを溜めてより強い生産ユニットを作る、ただそれだけの繰り返しだと飽きが速い。CookieClickerでは生産ユニットを作っていくと、ユニットを強化するアイテムが売り出されます。
上位ユニットを作るのと既存ユニットの生産能力を拡大させるもの、どちらを取った方が有利かというのはなかなかに悩ましい。このゲームではアイテムの価格が比較的高いので上位ユニット推しで問題ないけど、ユニットは製造するたびコストが上昇するので、アイテム購入の方が得な場面が必ず表れます。
またこのゲームにはいわゆる実績要素がありますが、実績の達成数により生産力が上がるアイテムもあります。それを買ったがさいご実績を解除せずにはいられない魔性の品。
ゲームの性質から行くと別に行き当たりばったりでもいいんだけど、効率の良い方法を選ぼうとするのが人の性。ユーザーに選択肢を与えることは、ゲーム進行の主導権は誰にあるかというのを錯覚させるために必要なことです。

・ランダムで出現する報酬
ときどき画面上に金のクッキーが現れ、クリックすれば様々な報酬がもらえる。出現タイミングはランダム、効果もランダム、しかも一定時間で消えるのでゲーム画面をチェックする癖をつけておかないと報酬にありつけない。同じ手法は例えばスーパーの日替わりセールなどでも見られます。チェックを習慣化させることでゲームから離れにくくしているわけ。
無視しておけばいいはずなのにチェックせずにはいられない、人間が一皮むけば報酬系に囚われた動物である事を思い出させてくれます。
報酬についても良いものほど出現率が低い。普通のものはクッキーがちょっと増えるだけ。良いやつだと短期間のあいだ生産力が7倍になる。レアだと生産力なんと77倍。クッキーが壊れた速度で増える様を見ているとパチスロにハマる人の気持ちが少しわかる気がする。

・話題にしやすい題材
クッキーという誰にでも理解できる題材、最初はまともだが徐々にSFじみてくる良い意味で狂った設定、クッキーのせいで宇宙の法則が乱れたりするなどネタだらけのフレーバーテキスト。ソーシャルソーシャル口コミ口コミ。


このゲームをやっていると、人間がいかに報酬や依存に縛られた存在なのか、昨今のF2Pをはじめとするゲーム群が人間の行動原理をどれだけ利用しているのかを考えさせられます。
踊らされている自分をはっきり自覚できるという意味では風刺の効いたゲームなのかもしれません。

革新とモデルの延命

発表されたiPhone5c、5sがなんかいろいろ言われている。

iMac。
最初のiMacは、高性能で低価格なMacをコンパクトかつキュートな形態でパッケージングして一時代を築いた。インターネットの普及によりパソコンの需要が拡大していたとき、皆が欲しがっていた物を適切な価格と適切なタイミングで売ることに成功した。

ところがWintel陣営で液晶モニタ採用が進むなか、iMacの液晶モニタ化は遅れに遅れた。液晶モニタはコストが高かったので収益性の高いiMacに載せるのが躊躇されたのだろう。
DV端子を付けたり色を変えたりフラワー柄を纏ったりしてモデルを延命させていたけど、それが尽きるとAppleはiMacをどうするつもりなんだ、いつ液晶モニタにするんだという不安の声が大きくなっていく。
そうしてiMacは遂に稼働アーム付き液晶モニタという斬新な形でリリースされた。CPUもランクアップ。ところがこのモデルはコスト高でありまた意外に場所を取るなどの問題点があり、次のモデルではあっさりと初代iMacのようなモニタ一体形状に戻り、現在に至る。

iPodはもっとわかりやすい。
初代iPod → mini → nano の変遷でキーとなったのは記憶デバイスだ。ハードディスクが小型になり、さらにフラッシュメモリに置き換わる。記憶デバイスの革新がそのままiPodの革新だったわけ。
同じことにはMacポータブルにも言える。Macbook Airは薄型液晶パネルとSSDなしには実現できなかったし、それら部品の低価格化がなければ趣味人だけが買う高級モデルで終わっていた。

iPhoneは登場から6年が経ち、その形態は "当たり前の存在" になりつつある。Androidが普及したいまはなおさらそう。iPhoneはすでに延命期に入っているのかもしれない。
iPhoneに再び革新をもたらすには、Macがそうだったように使用デバイスの大幅な変更を掛けるか、あるいはOSを大変更するしかない。
あるいは、iPhoneでもiPadでもない新しい形態を提案する。それはウェアラブルコンピュータつまりiWatchかもしれないが、まだ世には出てないし需要の程はまったく分からない。
「ポケットからいちいちiPhoneを出す煩わしさ」を解消するのが次のトレンドだとは思うけど、iWatchがiPhoneに連動するただのサブディスプレイなら革新とは言えないだろう。

「俺だけの鎮守府だぜ」新米提督、艦これの魅力を語る

話題の艦これを少し前からプレイしてます。不思議な中毒性があるこのゲームの魅力をちょっと語ってみます。

育成シミュレーションであり兵站を意識して…などと言われてますが、正しくは「行動制限のあるF2P」です。資源は時間で増える → 出撃に伴う修理や建造は実時間とアイテムを消費する → 有料アイテムでゲームプレイを捗らせるという基本的な形態です。
戦闘については、艦隊戦における距離の概念を取り入れてます。まず遠距離から空母が空襲して、中距離では砲撃戦、最後に至近距離での雷撃戦。第2フェイズにあたる夜戦は空母がお休みして至近距離でのハイリスクハイリターンな殴り合い。最近の流行と違ってプレイヤーは観てるだけですが、演出、スピーディな展開、フルボイスと飽きさせません。
下位ユニットである軽巡や駆逐艦は「回避が高く雷撃が強い」ため、空襲や砲撃をしのいで夜戦に持ち込めれば上位ユニットを沈めたりできるのが巧くできてます。F2Pだとレアとノーマルのキャラ性能に大差がある場合が多いんですが艦これはそうなっていません。
攻撃のヒット判定に運の要素が大きく、また勝敗判定は旗艦の状態に重きが置かれるため、損害が大きくてもなぜか勝ったりするのが面白いところ。

※ 史実では航空機が性能向上して「航空機だけで戦艦を沈められる」ようになったため、艦これのように各種艦船がお互いの戦力を削り合う "艦隊決戦" は起きませんでした。艦これの戦闘はロマンなのです!

艦これの特徴として、デザイン面で課金要素を目立たせていないところが挙がります。
今時のF2Pはゲームを起動すればまずキャンペーンのお知らせが表示され、ログインすれば粗品を貰い、日替わりダンジョンに誘われ、「あなたはスゴく得をしました!」的な表示が乱舞と、ゲームをプレイするというよりスーパーで買い物をしてる気分になるんですが、艦これはそういう要素が前に出てきません。
任務(クエスト)は毎日チャージされるけどプレイヤーが確認しにいかない限り表示されない。艦娘にレアリティの設定はあるけどはっきり明示されない。アイテム屋の表示は実に控えめで、アイテムを買うと捗るよ!的な表示もまったく出ない。
艦これのインターフェイス設計はコンシューマゲームのそれであり、F2Pのプレイヤー誘導の点から言えば論外です。逆に、だからこそ落ち着いて自分のペースでプレイできる。

従来型のRPGはゲーム内にプレイヤーの分身が居ました。勇者だったり冒険者だったり。
ところがパズドラ系のゲームではプレイヤーの分身が存在しません。メニューが並ぶアプリケーション然としたホーム画面、ゲームを操作している自分自身がそのままプレイヤーであるという見立てになってます。
RPGというジャンルでこの仕様だと、「ゲームはゲーム、俺は俺」という断絶が発生してゲーム世界への感情移入を妨げます。加えてF2Pだとプレイヤーの報酬系を刺激する生々しい言葉がそのまま飛んできます。ログインボーナス。ガチャ。日替わりサービス。プレゼント。スペシャルレア。確率アップ。
フレンド機能あたりは一見よさそうに見えますが、他人の育てたキャラを強制的に編入させられるというのは煽り以外の何者でもありません。同時期に始めた人のレベルを見せられて競争意識が芽生えたり、誰かにキャラを使ってもらえれば「情けは人の為ならず」的な報酬意識が芽生えます。
これらの無神経な言葉や機能が平然と使われることで「プレイヤーは勇者でも冒険者でもなく、消費者である」という事実がボディーブローのように浴びせらるわけですが、それに対して艦これはコンシューマの伝統的手法を使って感情移入度を高めています。
ホーム画面は鎮守府の司令室に見立てる。プレイヤーは「提督」であり、F2P用語の代わりに海事関係の言葉がゲーム内を飛び交います。艦娘を直接操作できないのもポイントです(ギャルゲー的な意味で)。文字通り「俺の鎮守府」を作れるのがいい。

…というわけで、海戦というモチーフ、擬人化を介したキャラおよび元ネタの魅力、F2Pが得意とする報酬系メカニクス、これらが奇麗にかみ合って中毒性のあるゲームプレイを実現しているのが艦これの魅力です。

ところで、艦これは図らずも「ユーザーが牽引するコンテンツ」になりました。金の卵ではなく金の鶏。
卵をたくさん産む鶏を育てるには慎重さが必要です。急激に育てたり手を掛けすぎたりすると逆に寿命が縮みます。いまのところバブル状態なのでその辺がちょっと心配ではあります。杞憂でしょうが…
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ああ、沖縄に行きたい…

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