スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

メタルブラック概論

メタルブラックとは、1991年にタイトーからリリースされたシューティングゲームです。
あれから19年が経ちました…
このゲームの解釈について、開発者の仙波氏は「解釈は人それぞれでいいよー」と述べています。
だから以下の文章も、とあるプレイヤーの誇大妄想、と考えるのが適当です。


「二つの高度文明の衝突は、片方の消滅という結果に終わることが多い」 - マンガ版メタルブラックの冒頭より(うろ覚え)

まず、木星近くの伴星ネメシスが引き起こした彗星雨が地球を直撃、地上が壊滅状態になる。
同時に、水星にて機会をうかがっていた珪素生命体がここぞとばかりに地球侵略を開始。
本来は彗星雨と珪素生命体に直接の関係はないんだけど、人類は「両者には関連性があり、敵はネメシスの空域から飛来している」と考えている。
だから珪素生命体のことも「ネメシス」と呼んでいるし、主人公も軍も木星(彗星雨の源流)を目指す。

人類は珪素生命体のテクノロジーを解析し、ビーム兵器搭載機の量産を軸とした反攻計画(メタルブラック計画)を立て、準備を進める。
ところが国連が急に停戦合意を発し、計画は永久凍結される。
一人のパイロットがその封印された戦闘機を強奪、単機で敵に立ち向かう…というのがメタルブラックの概要だ。

ところで、シューティングゲームの設定矛盾として、「敵陣に単機で突っ込む」というのがある。
リアリティを考えた場合、いくら戦闘機が高性能でも単機で突っ込むのは無理がある。
さらに、「ラスボスを倒したら戦争が終わる」というのも、よく考えてみるとおかしい。
敵軍を一括コントロールしている処理中枢を、単機で特攻して単機で撃破、単機で戦争に勝利!
ビデオゲームとしては何の問題もないけど、現実と照らし合わせてると多少無理がある。

仙波氏へのインタビューを読む限り、メタルブラックのゲーム内で展開される戦闘の殆どは「パイロットの見ている幻覚」である。
結果として、主人公は「敵陣に単機で突っ込んでいない」し、「敵の中枢を撃破してはいない」。
つまり、シューティングゲームにつきまとう大きな設定矛盾を半ば反則的な方法で回避しているわけ。
「パイロットの見ている幻覚」について、1面はさすがに現実のようだが、2面の冒頭、背景に偽物の月が出現するあたりから雲行きが怪しくなってくる。
裏設定から考えると(実際には、木星の空域に敵本拠地は存在しない)、5面以降は敵機や地形などほとんど全てが幻覚であると考えていい。
木星までは実際に飛行していると思いたいが、実はそれも幻覚で、実際には月を越えたあたりの、何もない空間で独り相撲を演じているのかもしれない。

面白いのは、ゲーム中はおろかオールクリアを果たした後ですら、「これは幻覚」だとはっきり提示されないところ。
ゲーム中のパイロットと同じく、プレイヤーもまた、これらの戦闘が幻覚だったと認識するのが困難なのだ。
押井守はマトリックスを評して「架空世界だというネタばらしは最後にしたほうがいい」と述べたが、メタルブラックにおいてはネタばらしさえ行われない。
オールクリアしたプレイヤーは、自分が見たものの意味や理由を考え続けることになる。
考えようによっては、これはプレイヤーに対する究極のサービスなのかもしれない。
「超ムズい2周目」や「終わりの見えない点稼ぎ」よりも、遥かに高度なアフターサービス。

さて、なぜパイロットはあんな幻覚を見るのだろうか?
マンガ版メタルブラックの連載開始時に、仙波氏が「このマンガでは人類と珪素生命体との融合を描く予定です」と発言している(うろ覚え)。
ここで公式設定を思い出してみる。
・珪素生命体は、地球文明と融合する能力を持つ(機械と融合したり、知識を取り込んだり)
・自機ブラックフライは、敵兵器のコピー
・6面ボスで流れる背景は、なぜか人類の文明に関するものばかり
これらを踏まえて私が出す結論は、「パイロットが珪素生命体と融合してしまう。ゲーム中で目にする光景は、その融合過程においてパイロットが見る幻覚」というもの。
伴星に "復讐の女神" の名前がつけられていることを考えると、「彗星雨やネメシスの襲来は、人類に対する罰」みたいな意識が広まっていたのかもしれない。
だから、ボスの名前が "人類が犯した過ち" に関するものばかりだったり、最終面で流れる背景が人類の闘争の歴史だったり、最後に地球が真っ二つになるビジョンが見えたりするのは、「敵が人類に警告や反省を突きつけている」わけではなくて。
パイロットの内にある、人類の闘争史あるいは環境破壊といった知識や記憶。
さらには、ネメシスが "人類に対する罰" であるという意識。
それらが合わさってああいうビジョンを幻視するのだと、私は考える。
これはまた、冒頭の文章 - 二つの高度文明の衝突 - という題目に対して、「融合による共生」という回答を出している、ともとれる。

# 実際には彗星雨も敵の侵略も、人類の闘争や環境破壊とは関連性がない。「パイロットがそう思っているから、そういう幻覚を見る」のだということ。
# この妄想を踏まえてサウンドトラックの背面イラストを見てみると…少しは当たってる気がするかも?


私のメタルブラック概論(という名の妄想)は以上の通りです。
ところで、この妄想を最後まで読んだとき、タイトーシューティング好きならあることに気付くと思います。
全ての敵が幻? 自らの中にある恐怖や不安が幻を形作る? それって…
close your eyes, close your head !
かくして物語は、visionnerz(幻視人)へと繋がるのでした。

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

waverider

Author:waverider

ああ、沖縄に行きたい…

最近の記事
カテゴリー
最近のトラックバック
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。