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映画感想:劇場版 機動警察パトレイバー2

ニコ生で劇場版パト2を久しぶりに見ました。10年以上前にビデオで一度見たきりだったので細部を完全に忘れてて、以前とはまったく違う印象を受けました。

当時、雑誌ニュータイプに製作決定を伝える記事が載っていて、「東京で内戦をしてみようと思うんです」という押井守の言葉が強く印象に残っている。
「内戦」についてのイメージは各人でかなり異なる。私は内戦と聞くと、民族闘争やそれに伴う虐殺などの暗いイメージしか思い浮かばない。
パト2での内戦状態というのはこう70年代的というか、戒厳令が敷かれ、軍隊が街の至るところに駐屯し、敵対組織はテロルを基本形態とする、みたいな感じ。
柘植さんは東京をして「かりそめの平和」というが、その本人が再現した内戦状態もまた虚構だった。
ラストシーンでの松井さんの問いが虚しい。松井さんは柘植を、政府転覆を企てるテロリストの類いだと思っていたけど、彼の動機と言えば、平和ボケした日本に冷や水ぶっかけるという類いのものだった。自ら戦争に赴き、PKOで実際の戦争を体験し、考えることが「お前ら平和ボケの目え覚まさせたる」なんだからどうしようもない。

いま見ると、内戦状態が作られていく様の方がはるかに印象に残る。
交通封鎖した状態で橋を爆破。爆破したとおぼしき戦闘機が偶然撮影されたビデオに映っていた(もしくは、意図的に撮影された)。そこから導きだされる憶測。
爆破された橋そのものの様子はほとんど描写されない。代わりに、橋の爆破を伝えるニュース映像が繰り返される。
主人公である後藤隊長や南雲さんも、ことの成り行きを伝聞でしか知ることができない。メディアから。荒川さんから。いつもの情報源から。…それらの正しさを誰も保証してくれない。
「確固たる情報がない」状態から憶測を作って世に放つ。憶測は憶測を呼び、何が正しいのか判断できなくなる。結果的に公安と自衛隊が反目しあい、戒厳令の発令までに至る。

荒川と後藤隊長の会話。この国で何かを裁くのは、もの言わぬ神 = 大衆である、と。
大衆はいつも正しいか? メディアから、他人から、"加工された" 情報しか受け取れないのに。
何が正しいのか分からない状態で何かを為すしかないのなら、社会はこの映画のように、ちょっとした細工で簡単に崩壊する危険性をはらんでいる。
この辺りはいま観ても古びておらず、むしろ現在の状況がこの映画を予言めいたものにしてしまっているのが恐ろしい。

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ああ、沖縄に行きたい…

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