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使いやすいインターフェイスとは何か

前の記事で ヒューマンインターフェイスデザインの原則(1987) - Macintosh Human Interface Guidelines を訳したので、これについて少し考察してみよう。
(Macintosh Human Interface Guidelinesは長いのでMHIGと略すことにします)


当時のGUIは従来のコンピュータとは全く違う「未知のインターフェイス」だった。なのでMHIGには、UIやUXがどうのこうのという以前の、「GUIを使ってもらうにはどうすればいいか」という基本的な視点が備わっている。
最近のインターフェイスガイドラインではこの視点が欠けているかあるいは省略されていることが多いので、25年経った今でもMHIGに触れることには意味がある。

MHIGは旧OS用のガイドラインなので細部の記述は古くなってるけど、その哲学は古びていない。
たとえば、Apple iOS の bounce back。スクロールなどの行き止まりに来ると一瞬跳ね返るアニメーションのことだが、これは
「行き止まりにものが当たると跳ね返るという、誰にでもわかる物理的メタファー」
「アラートを出すことなく、そこが行き止まりであるというフィードバックを返す」
という原則に当てはまっている。

そして。
MHIGに掲げられたヒューマンインターフェイスデザインの原則をぼーっと眺めていると、ある共通した考え方が浮かび上がってくる。ひっかかる言葉をピックアップしてみると…

「人々が外界について既に持っている知識を活かす」
「これらのパラダイムはユーザー行動の一般的な形態を基にしており」
「他のアプリケーションでの経験を足場にできる」
「理解しやすく、親しみがあり、予測可能なコンピュータ環境」
「人々や人々の持つ能力に依った製品を開発する」


つまり、これらが指しているのは、

使いやすいインターフェイスの条件は、ユーザーが既に持っている知識・経験・感覚を利用することである。


ということだ。

もっと極端に書くとこうなる。

使いやすいインターフェイスとは、ユーザーが既によく知っているものである。



直感的だから、クールだから、シンプルだから、便利だから、ではない。知っているから使いやすい。
だから、誰も見たことのないようなアプリケーションを作るときに使いやすくするにはどうしたらいいか?という困難な問題に対するとき、MHIGは「ユーザーが知っているものを利用せよ」という原則を掲げる。たとえば、先に上げた bounce back などが「身近な物理現象」を使っていたように。
「ユーザーが知っているもの」はコンピュータの知識にとどまらない。身近な物理現象。文房具。家の中にありそうな馴染みのある機械。"タイムマシン" などの専門的でない言葉。色とそれに関する印象。書籍や雑誌のレイアウト原則…

社内で検討を重ねベータテストも十分に行ったうえで刷新されたUIがユーザーに袋だたきにされるという悲劇が止まらないのは、「使いやすい」という点について根本的な誤解があるから。
効率が良くなっていても、派手になっていても、新機能が加わっていても、「知らないものは使いにくい」というのが真実なのである。

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ああ、沖縄に行きたい…

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