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甘いものだけでできたゲーム - Cookie Clicker

この連休はCookie Clickerをずっと点けてました。

「クッキーを増やす」だけのこのゲーム、最近のF2Pが好んで使う「依存仕様」と「報酬系」でのみ形作られているとんでもないゲームです。
存在そのものが現状に対する皮肉ではないかと思えるぐらい良くできています。

・プレイ時間の決定権を奪う
クッキーは全自動生産なので、クッキーを増やすには待つしかありません。クッキーが増えるのを待つ → クッキーを消費して生産ユニットを増やして生産力を上げる → クッキーが増えるのを待つ… この繰り返し。
F2Pでよくあるスタミナと同じです。行動を起こせるようになるにはしばらく待つしかなく、故にプレイヤーは断続的にゲームにアクセスしようとする。そして定期的に確認しないと気が済まなくなる。
プレイ時間の選択自由がいつのまにかゲーム側に握られているという手法です。

・開始当初の報酬 - プレイスタイルの変化
ゲーム開始当初は生産ユニットがないので、ポチポチとクリックして手動でクッキーを作るしかない。そうして生産ユニットを増やしていくと生産力が上がって勝手に増えてくれるので放ったらかしにしてもよくなる。この状態はわりと短期で達成でき、プレイヤーに悦びと優越感を与える初期報酬の役目を果たしています。
移り気なユーザーを留めおくためのデザイン。ユーザーが裸一貫である状態が一番離脱率が高いので、こうやって引き止めておけばゲーム内資源が溜まって「やめると損した気分になり」、離脱率が下がるというのを狙っています。

・平坦ではない難度上昇
よくできたゲームというのは難度上昇カーブが奇麗な直線になっておらず、意図的に凸凹を作ってあります。
製造コストが高いユニットほど強いというのがこの手のゲームのセオリーであり、そしてユニットのコストメリットにわざと差がつけられているのもまたセオリーである。
CookieClickerでは、生産ユニットは Cursor(カーソル) → Grandma(おばちゃん) → Farm(農場) → Factory(工場)…の順になっている。コストと生産力をじっと見れば、Farm(農場)のコストメリットが妙に低いのに気付くはず。
Farm(農場)の製造をグッと我慢して次のFactory(工場)を狙った方がメリットが大きい。このゲームには難度の概念がない代わり「待ち時間が長い」ことが障壁になるんだけど、ここでプレイヤーに障壁と選択肢を提示することで、プレイヤーに「ゲーム進行に介入できる事を自覚させる」「己の選択により障壁を突破した感を与える」ようにしている。報酬の第二段階と言ってもいいでしょう。
F2Pであればこの障壁をもっと巨大な物にして、時間を短縮する有料アイテムへと誘導したりします。

・いままでの成果が視覚的に分かる
生産したユニットは個数表示だけでなくウインドウ内にずらーっと並ぶ。クッキーが増え続けているのをカウンタでいつでも確認できる。辛抱して強い生産ユニットを製造すればその瞬間からクッキーの増加量が目に見えて早くなる。
どのくらい強くなったのか。どのぐらい実績を溜めたのか。効果や成果や実績を常時かつ視覚的に見せるのはプレイヤーを依存させるためには非常に重要なことで、たとえそれが数字の変化や単純なパーティクルでも効果は大きいのです。

・目的を複数用意してユーザーに選択させる
クッキーを溜めてより強い生産ユニットを作る、ただそれだけの繰り返しだと飽きが速い。CookieClickerでは生産ユニットを作っていくと、ユニットを強化するアイテムが売り出されます。
上位ユニットを作るのと既存ユニットの生産能力を拡大させるもの、どちらを取った方が有利かというのはなかなかに悩ましい。このゲームではアイテムの価格が比較的高いので上位ユニット推しで問題ないけど、ユニットは製造するたびコストが上昇するので、アイテム購入の方が得な場面が必ず表れます。
またこのゲームにはいわゆる実績要素がありますが、実績の達成数により生産力が上がるアイテムもあります。それを買ったがさいご実績を解除せずにはいられない魔性の品。
ゲームの性質から行くと別に行き当たりばったりでもいいんだけど、効率の良い方法を選ぼうとするのが人の性。ユーザーに選択肢を与えることは、ゲーム進行の主導権は誰にあるかというのを錯覚させるために必要なことです。

・ランダムで出現する報酬
ときどき画面上に金のクッキーが現れ、クリックすれば様々な報酬がもらえる。出現タイミングはランダム、効果もランダム、しかも一定時間で消えるのでゲーム画面をチェックする癖をつけておかないと報酬にありつけない。同じ手法は例えばスーパーの日替わりセールなどでも見られます。チェックを習慣化させることでゲームから離れにくくしているわけ。
無視しておけばいいはずなのにチェックせずにはいられない、人間が一皮むけば報酬系に囚われた動物である事を思い出させてくれます。
報酬についても良いものほど出現率が低い。普通のものはクッキーがちょっと増えるだけ。良いやつだと短期間のあいだ生産力が7倍になる。レアだと生産力なんと77倍。クッキーが壊れた速度で増える様を見ているとパチスロにハマる人の気持ちが少しわかる気がする。

・話題にしやすい題材
クッキーという誰にでも理解できる題材、最初はまともだが徐々にSFじみてくる良い意味で狂った設定、クッキーのせいで宇宙の法則が乱れたりするなどネタだらけのフレーバーテキスト。ソーシャルソーシャル口コミ口コミ。


このゲームをやっていると、人間がいかに報酬や依存に縛られた存在なのか、昨今のF2Pをはじめとするゲーム群が人間の行動原理をどれだけ利用しているのかを考えさせられます。
踊らされている自分をはっきり自覚できるという意味では風刺の効いたゲームなのかもしれません。

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ああ、沖縄に行きたい…

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